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むし歯予防対策 初級編 その③【歯みがき粉を必ず使い、使い方をひと工夫する】

皆さんこんにちは。

今回は、簡単なむし歯予防対策の3番目として、

【歯みがき粉を必ず使い、使い方をひと工夫する】

方法についてご紹介します。

 

前回も少し触れましたが、現在市販されているハミガキ粉のほとんどに、フッ素という成分が含まれています。

フッ素はむし歯予防にかなり有効なので、普段のハミガキの際には必ずフッ素入りのハミガキ粉を使いましょう。

まれにフッ素が含まれていないハミガキ粉がありますので、心配な場合はパッケージか成分表で確認してみてください。

パッケージの場合は分かりやすく「フッ素配合」といった感じで書かれていることが多いです。

パッケージに書かれていない場合は成分表をみてみましょう。

「フッ化ナトリウム」

もしくは

「モノルフオロリン酸ナトリウム」

と書かれていればフッ素が入っています。

 

また、できればフッ素濃度が高い方がむし歯予防効果は高まります。

現在、日本で認可されているハミガキ粉のフッ素濃度は最高で1,500ppmですので(ppmは濃度の単位です。どのハミガキ粉も、フッ素濃度はppmで表記されています)、6歳以上の方は、できるだけこれに近い数値のものを選びましょう。

 

しかし、市販品の場合は濃度が書かれていることがあまりないです。

 

歯科医院の窓口コーナーで売られているものはフッ素濃度が分かるものが多いので、より確実にしたい場合は歯科医院で購入しましょう。

(ちなみに、6歳未満のお子さんの場合、誤って大量に飲み込むなどでフッ素を過剰摂取してしまうと、「歯のフッ素症」という副作用が出る危険性があるため、1,000ppmが推奨されています)

 

 

次に、せっかく使うのですから、ハミガキ粉のフッ素の効果を最大限引き出せるよう、ハミガキの方法にもひと工夫加えましょう。

 

ポイントとしては、2つあります。

 

ひとつは、ハミガキ後のうがいをなるべくやさしめにする、ということです。

ハミガキ粉を使ってハミガキをすると、ハミガキ粉が泡立ち、お口の中全体に広がります。

これによりフッ素の成分もお口の中に広がって効果を発揮します。

その後でうがいをすると、ハミガキ粉とともに大部分のフッ素は外に洗い流されていきます。

なので、うがいによって失われるフッ素を極力抑えるポイントとしては、

・なるべく少ない量のお水でうがいをする

・うがいの動作をブクブクっと激しくせず、優しくお口の中全体にお水を行き渡らせて洗い流すようにする

・うがいの回数をなるべく減らす(できれば1回だけ)

となります。

 

ハミガキ粉が残りすぎると気持ち悪いと思いますので、気持ち悪くない程度で、なるべくフッ素が残るようにうがいをしてみてください。

 

もうひとつは、2回ハミガキをする、という方法です。

(この方法は、ちょっと面倒くさい方法になるため本シリーズの「なるべく簡単な方法」というテーマからは外れてしまうかもしれません。ので、これは余裕があるときにやってみてください)

 

フッ素が歯に対して効果を発揮する時は、歯の表面に直接フッ素が接触する必要があります。

しかし、ハミガキをする前は、歯の表面に歯垢(しこう)という汚れが付いています。

そのため、通常多くの人がやる方法、「ハミガキ粉を付けて1回だけ磨く」方法の場合、歯垢の除去とフッ素を歯に効かせることを同時に行っていることになります。

ところが、ハミガキをしていると、唾液が出てきてハミガキ粉の濃度がどんどん薄まっていきます。

ハミガキ粉が薄まると、中に入っているフッ素の成分の濃度も薄まってしまい、せっかくのフッ素効果が半減してしまいます。

また、ハミガキ粉はスッキリとした味が多いので、はじめからハミガキ粉を付けて磨くと、しっかり磨けていなくても、(スッキリしてしまうので)磨けている「つもり」になってしまう可能性もあります。

以上のことから、よりしっかりとしたハミガキをして、よりしっかりフッ素を効かせるために、まずは歯磨き粉なしで汚れを落とし、次に歯磨き粉を付けてフッ素を歯に作用させる、という2回に分けて行うことをお勧めします。

 

また、もし歯科医院の定期健診などで、部分的にむし歯になりやすいかもしれないと指摘されている箇所がある場合(例えば、親知らずが斜めに生えてきている場所など)は、一番最初にそこの場所に歯磨き粉を塗り付け、フッ素を効かせることをおすすめします。

ハミガキをしていると、唾液と歯磨き粉が混ざって、フッ素の濃度はどんどん薄まっていくので、歯磨き粉は出したての状態が一番フッ素の濃度が高い状態になります。

なので、リスクが高い場所については、一番高いフッ素濃度の歯磨き粉を、「塗り薬」のイメージで塗り付けると、より効果的にフッ素の力を使うことができます。

「塗り薬」としてフッ素を効かせているあいだに、別のところを「歯磨き粉」として磨き、最後にそこの部分も「歯磨き粉」として磨くようにしましょう。

 

今回のポイントをまとまると、次のようになります。

・フッ素入り歯みがき粉を必ず使う。

・なるべくフッ素濃度の高いものを使う。

・実際のハミガキの手順

①まずはハミガキ粉なしで磨いて、表面の汚れを落とす。

②一度しっかりうがいをする。

③歯ブラシの毛先をタオルなどで拭き、水分を取る。(水分が残っていると歯磨き粉が薄まる)

④歯ブラシに歯磨き粉を付けて、要注意の場所がある場合はそこに歯磨き粉を塗り付け、その後、すべての歯の表面に塗り付けるように行き渡らせる。

要注意部位がない場合は、はじめからすべての歯に塗り付ける。

(フッ素の「塗り薬」を歯に塗るイメージで)

⑤もう一度順番にハミガキをする(2回目のハミガキは、汚れを取るのではなく、フッ素をすみずみまで行き渡らせる目的で行う)

⑥フッ素が残るように、少なめの水で軽いうがいを1回だけする

 

 

次回は、【ベロで歯の表面を触る(舐める)習慣をつける】方法についてご説明します。

 

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