ブログ

むし歯予防対策 初級編 その④【ベロで歯の表面を触る(舐める)習慣をつける】

皆さんこんにちは。

今回は、簡単なむし歯予防対策の4番目の方法として、

【ベロで歯の表面を触る(舐める)習慣をつける】

方法についてご紹介します。

 

今回の方法でキーポイントとなるのは「唾液(だえき)」です。

 

唾液は「つば」のことで、お口の中が乾燥しないように、つねに一定量お口の中に出つづけている液体です。

これは、単なる水ではなく、抗菌成分や消化酵素など、多くの有効成分を含んだ体液です。

唾液には色々な役割があるのですが、むし歯予防の観点から重要な役割は、以下の3つです。

 

・抗菌成分によりむし歯菌の活動をある程度抑える

・カルシウムなどのミネラルを含み、酸によって歯から失われたミネラルを歯に戻す

・食事によって「酸性」に傾いたお口の中の環境を「中性」に戻す

 

これらの恩恵を得るためには、歯の表面に唾液が運ばれてくる(歯と接触する)ことが必要です。

 

唾液は、お口の中にある唾液腺という組織から分泌されます。

 

唾液腺のうち小さいものを小唾液腺といって、これは、お口の中の粘膜全体に広く無数に存在しています。

小さいので、出てくる唾液の量は少なく、粘膜の表面からじわ~とにじみ出てくるような感じになります。

 

大きいものを大唾液腺といい、これは下あごのベロの下と、頬っぺたの中にあります。

大きいだけあって、唾液をたくさん出すのですが、大唾液腺の唾液が出てくる場所は、ベロの付け根1か所と、頬っぺたの内側左右2か所を合わせて、計3か所になります。

この大唾液腺から出てくる唾液は、お口の中で一定の「流れ」を作るように、お口の中をめぐっています。

 

そして、この「流れ」は、場所によって強い箇所もあれば、弱い箇所もあります

川で例えると、急流のように激しい流れがある場所と、支流や用水路のように小さく穏やかな流れがある場所があるような感じです。

これらの「流れ」の中で、「激しい」唾液の流れにさらされる場所にある歯の表面は、常に唾液の恩恵を受けて、むし歯になりにくい環境にあります。

 

例えば、下の歯の内側です。

ここは、ベロの付け根に近く、大唾液腺から出た直後の唾液が大量に当たる場所ですので、多くの人がむし歯になりにくい箇所です。

 

これに対し、「少なくて穏やかな」唾液の流れしかない場所は、唾液の恩恵を受けることができず、むし歯になりやすい箇所になります。

自然な状態では流れが弱いのであれば、こちらから意識して唾液を運んであげればいい、ということになります。

今回の方法は、このように通常では流れが弱い場所に、意識して唾液を運び込む方法です。

 

さて、では具体的にどうすればいいかというと、

特に何も考えずに、「すべての歯の表面(おもて、うら、咬み合わせ面)を順番になめ回す」ということをしてください。それだけです。

先ほどの説明のように、唾液が「行き渡りやすい場所」、「行き渡りにくい場所」の違いはあるのですが、これには個人差もあり、実際にどこが行き渡りにくい場所かというのは判断が難しいです。

なので、そこまで深く考えず、適当にベロを色々な歯の色々な面に持っていきましょう。同じ箇所ばかり触るではなく、なるべく色々な場所を触るのがポイントです。

 

これを日常的に頻回に行うことで、唾液を歯の表面隅々まで行き渡らせることができ、むし歯予防に貢献できる可能性が高まります。

 

ちなみに、これをすることによって、

・歯の表面の汚れがあるとザラザラした触感になるので、磨き残した場所がベロの感覚として分かりやすい(磨き残している場所をみつけやすい)

・ベロを動かす=ベロの筋トレになります。また、同時に唇や頬っぺたも動かすことになるので、活舌(発音)や咀嚼、飲み込み(嚥下)機能の強化、あるいは低下の予防ができる

といった副次的な恩恵も得ることができます。

 

 

 

以上、4回に亘って、なるべく簡単なむし歯予防方法をご紹介しました。

まずは、日常生活でこれらのことを取り入れてみて、さらにヤル気が出てきたら、他の手段へとステップアップしてみてください。

皆様のお口の健康維持に少しでも貢献できれば幸いです。

 

その他の内容リンク

【キシリトールを活用する】

【普段飲む飲み物を緑茶にする】

【歯みがき粉を必ず使い、使い方をひと工夫する】